『自信』と『自己肯定感』を高める

調査結果

〈出典〉
・日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者を対象とした意識調査(平成25年度)

・平成26年版 子ども・若者白書(概要版)内閣府HPより

〈自分自身に満足している〉
・日本    =45.8%
・韓国    =71.5%
・アメリカ  =86.0%
・イギリス  =83.1%
・ドイツ   =80.9%
・フランス  =82.7%
・スウェーデン=74.4%

〈自分には長所がある〉
・日本    =68.9%
・韓国    =75.0%
・アメリカ  =93.1%
・イギリス  =89.6%
・ドイツ   =92.3%
・フランス  =91.4%
・スウェーデン=73.5%

「自分自身に満足している」、「自分には長所がある」共に日本は7か国中最下位。

 

調査結果を見てどのように感じたでしょうか。

 

調査はあくまで調査。現実と異なることもあります。しかし、この調査結果にはあまり違和感がありませんでした。私は仕事柄色々な方に接していて、その中で「自信がない」というご相談を多く頂きます。

 

知識も経験も豊富でとても優秀と感じる方でも「自信がない」と言われることがあります。生い立ちやこれまでの経験など要因は様々あると思いますが、根本的なこと、根っこの部分に原因があるのだと思います。

 

根本的なこと、根っこの部分とは「生きる目的」、「生まれた意味」だと思っています。私自身、人生半ばですが、色々と経験し勉強し色んな人と触れてきました。その中で思うことは「生きる目的」、「生まれた意味」の大切さです。

 

ただいきなり「生きる目的」、「生まれた意味」を持てと言われても中々難しいことです。そこで、全ての基本である「自分を受け入れる」ことについてお伝えしたいと思います。

 

「自信がない」とご相談を頂く中、何かできることはないか、何とかしたいと思い、「自信とは何か」、「なぜ自信を持てないのか」、「自信を持つにはどうすれば良いのか」。色々と考えました。その中で出てきた一つの答えが「自分を受け入れる」というものです。

 

「自分を受け入れる」ということは「生きる目的」、「生まれた意味」とも密接に繋がっています。すぐには実感できなくても、徐々に繋がり実感できるようになります。

 

ご一読頂き、ご活用いただけたら幸いです。

 

 

自分を受け入れる効果

1.自分を受け入れると自分を認められる 
2.自分を認められると自分を好きになれる 
3.自分を好きになれると自分に自信が持てる 
4.自分に自信が持てると他人を受け入れられる 
5.他人を受け入れられると自分も受け入れてもらえる
6.自分を受け入れてもらえると人生が充実する 

ちょっと飛躍している部分もあるかもしれませんが、1つ1つが繋がっています。できそうなところから順番に意識してみてください。きっとこれまでと違う感覚になると思います。

 

◇成功も失敗もありのままを受け入れる。受け入れられないと「怖さ」や「不安」を持ち続けてしまう。

 

 

1.自分を受け入れる ~コップの穴をふさぐ〜

自分を受け入れられないと、「何もやれていない」、「こんな自分はダメ」と思い込み続け、いつまで経っても満たされることがありません。

 

自分がやっていることよりも「やっていないこと」、「足りないこと」に目が行き、「やったこと」を評価できないからです。そのためいくらやっても「ダメな自分」、「自信がない」と思い続けます。

 

心が穴の空いたコップになっていて、何をやっても漏れ続けている状態です。ゴールの無いマラソンを走っているような状態です。

 

この状態でどれだけ経験や知識を身に付けても、「何もやれていない」、「こんな自分はダメ」と思い続けてしまいます。

 

「やっている」ことに注目し、「やっている自分」を見るようにしてください。「足りないこと」、「やっていないこと」に目を向けなくて大丈夫です。

 

大切なことは自分で自分を否定しないこと。最初から受け入れられなくても否定はしない。「こんな自分も自分」と思うだけで大丈夫です。

 

怠けていても、努力をしていても何をしていても、「これが自分」と受け入れることです。人と比べることなく、自分自身を見つめ、ありのままの自分を受け入れることが大切です。

 

そうすると、「やっている自分」を認識し成長を実感できるようになります。そうすることで「穴の空いたコップ」を「穴の無いコップ」にすることができます。心が整った状態です。

 

自分の最大の味方は自分自身です。自分が自分を1番好きであれば人にも優しくできて認めることもできます。それは必ず自分に返ってきます。

 

 

2.自分を認める ~コップに注ぐ〜

自分を受け入れる準備ができたら、「やっていること」、「できていること」に注目してどんどん自分を認めて褒めてください。人と比べるものでもなく、伝えるものでもないので、自分に甘いとか厳しいとか思う必要もありません。

 

「意外とやっている」、「思ったより成長している」と感じられるようになったら自分を認められている証拠です。自分をたくさん認めてたくさん褒めてください。心のコップに自分の良い所をたくさん入れてください。

 

最初は変な感じ、恥ずかしいなど違和感があるかもしれませんが、慣れです。思考に変化を加えようとしているため、脳がちょっと追いついていないだけです。すぐに慣れます。自分のペースで続けてみてください。

 

 

3.自分を好きになる ~コップを満たす〜

自分を認められるようになり自分の良いところをたくさんコップに注ぐことができると、「自分って結構やっている」、「努力している(しようとしているでもOK)」など、これまで見えていなかった自分が見えてくると思います。

 

そうなってくると、徐々に自分を好きになってきます。「好き」と言えないとしても、「嫌い」では無いと思います。もし「嫌い」な感覚がある場合は、認めること、褒めることが足りていない状態です。

 

その時は自分の行動を改めて振り返り、「できている自分」、「やっている自分」をもっと認識してもっともっと認めてください。「自分って、思ったより良いヤツだ」と思えるくらい自分を見つめてください。

 

 

4.自信を得る ~満たしたコップを感じる〜

今、あなたのコップは自分で満たされています。「やっていること」、「できていること」、前向きな自分で溢れています。

 

今の状態と自分を受け入れていない時の状態を比べてみてください。どんな変化を感じるでしょうか。今の方が受けれていない時よりも自信があり心が楽な状態ではないでしょうか。

 

自分を好きな状態になると、「自分に対するイメージ」が高い状態になっています。「これだけやってきた」、「やる時はやる」など、前向きな自分になります。

 

「自分の中での比較」です。人と比べる必要はありません。以前の自分と今の自分の比較が大切です。前の自分より今の自分の方が成長している、好きと思えることが大切です。

 

もし自信に繋がっていないと感じる場合は、「自分にとって自信とは何か」ということを考えてみるのも良いと思います。

 

「自信」の意味は人によって異なりますので、『自分にとっての自信』を明確にしておくと、これまでの過程と「自信」が結びつきやすくなります。頭の中だけでなく、紙に書くなど言語化することがおすすめです。

 

 

5.他人を受け入れる ~他人のコップに注ぐ〜

自分を受け入れられていない状態では本当の意味で他人を受け入れることはできません。

 

受け入れていると思っても、妬み嫉妬やっかみなど負の感情が芽生えることがあれば、それは表面上の受け入れです。本当に相手を受け入れている時、そのような感情が芽生えることはありません。

 

他人を受け入れられない原因の一つに、自分が満たされていないことが挙げられます。

 

自分が満たされていると他人に対する負の感情を抱きにくくなり、相手を本音で称えられれる健全な関係を築くことができます。中々難しいのも事実ですが、自分が満たされる程その状態に近づきます。

 

人から褒められても「まだまだ」、「全然」、「そんなことない」と言うのは、自分が満たされておらず、さらにその人を否定していることと同じです。

 

謙遜と卑屈は異なります。褒められたら「ありがとう」と伝えるのが自分にとっても相手にとっても好ましい応えです。

 

穴の空いたコップの状態は自分のやっていることだけでなく、人からの評価も好意も受け止められずこぼれていくばかりです。

 

そうならないためにも、自分を受け入れ認め好きになる過程がとても大切です。自分のためであることが他人のためにもなり、感謝されるようになっていきます。

 

 

6.人生の充実 ~自分のコップに注いでもらう〜

「人生の充実※」の意味は人それぞれ違いますが、共通していることがあります。それは他人との関わりです。人は人との関わりの中で大きな充実を感じます。

 

人との関係が良好な人は人生が充実しています。お互いに受け入れ認め合っている状態です。そんな関係を築くことで人生の充実度は高まります。

 

多くの人と関わる方が良い、そうなるべき、ということではありません。多い少ないという数は関係ありません。自分が大切と思う人とそのような繋がりができることが大切です。

 

人は人に受け入れ認められると嬉しいものです。自分が嬉しいことは他の人も嬉しいものです。自分が受け入れて欲しい時は自分が先に人を受け入れることが大切です。「与えて欲しい」ではなく、「自分から与える」ことです。そのためにもまずは自分で自分を満たすことが大切です。

 

※大切なことなので自分にとっての「人生の充実」を明確にしておくと良いと思います。自信と同様、言語化をしておくと良いです。

 

 

補足

「自信がない」という悩みと同時に、「とは言っても行動できない」というお悩みも頂きます。「自信と行動」も密接に関係しています。「行動できない時の対処法」としていくつか補足させて頂きますので、ご参考頂けたら幸いです。

 

 

甘やかす

「受け入れて認める」ことと「甘やかす」ことは異なります。

 

「甘やかす」とは「改善も努力も何にもせず現状に甘んじていること」とここでは定義します。そのこと自体に良いも悪いもないです。

 

自分が甘やかしている状態を望んでおり、その状態を自分で「受け入れている」のであれば何も問題ありません。自分が望んでいるから、自分の意志だからです。

 

問題はその状態を受け入れられず、「やらないといけない!けどできない!」という状態です。「ブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいる」状態です。常にモヤモヤしている状態で、心にも体にも良い状態とは言えません。

 

このような時に必要なのは、「甘やかしている自分」、「サボりたい自分」というその時の自分をまず認め受け入れることです。そのうえで、「そのままでいたい」のか、「違う自分になりたい」のかを決めることです。

 

自分の意志だけでできないのであれば、「他人の力を借りる」、「環境を変える」など工夫をすることです。そして行動をしたら「前に進んでいる自分」を受け入れて褒めます。それを続けていくと自分を認めることが習慣になり、自分を好きなり自信が持つことに繋がります。

 

 

スイッチを探す

人間、心と体が拒否していることをやることは相当なストレスです。それでもやろうとする場合、そのストレスを上回る目的や環境など、「行動するスイッチ」を見つけると行動に繋がりやすくなります。

 

そのためにはまず自分の心の声を聞いてください。自分はこんな時にこんな感情になる、こんな時にやる気が起きる、こんなことがあると(言われると)やる気が起きない。じゃあ、そんな環境を作るには、避けるにはどうしたらいいか、など自分を知ることで対処法が見えてきます。

 

原因を作っているのは大抵「自分の中の思い込み」、「自分の中の世界」です。自分の思考を知ることでマイナスを回避する方法がわかり、プラスを高める方法がわかるようになります。

 

 

決めるのは自分

最終的に決めるのは自分です。会社、上司から理不尽な指示があっても、親から友人から頼み事があっても最終的に決めているのは自分です。

 

本当に嫌でやりたくないのであれば拒否するという選択肢があります。それをやらないのは、「嫌われたくない」、「評価を下げたくない」、「クビになりたくない」など理由を探し、自分の中で天秤にかけて自分で決めているのです。

 

「仕事だから」というのも自分の意志で決めています。裏を返すと、「何事も自分の意志で決められる」とも言えます。「他人にコントロールされるのではなく、自分で自分をコントロールできる」そう考えることができます。

 

「指示に従ったのは自分の意志」。そう考えると「自分の意志に基づいた行動」になり、不満も少なくなります。発想の転換で自分をコントロールすることもできます。

 

 

ブレーキとアクセル

他人の力を借りても、環境を変えても、何をやってもできない。そんなこともあると思います。そんな時もまずはその状態を受け入れてください。

 

そして自分の気持ちを聞いてください。このような時は大抵「ブレーキとアクセルを一緒に踏んでいる」状態、「頭と体が拒否している」状態のため、本当の自分の気持ちが見えにくくなっています。怠ける自分、進んでいない自分を認めたくないためです。

 

そんな時こそ、自分の気持ちを受け入れてください。すると、「ああ、自分はそんなに嫌がっているんだ。やりたくないんだ」という気持ちに気付くと思います。

 

出来ない自分ではなく、「自分の意志で挑戦した自分」、「逃げずにやろうとした自分」を受け入れて褒めてください。

 

「継続できない、続かない」というのであれば、「このやり方ではできないことが分かった。それだけでも収穫」と前向きに捉えて他の方法を試してみるも良し。または「こんなに拒否しているのだからやらない方が良い」という決断も良しです。

 

「できない自分はダメ」ではなく、自分を受け入れ「その後どうするか」に活かすことができれば、発見こそあれ無駄なことは何一つありません。全ては自分の意志で決めることができます。

 

 

感謝の気持ち

「ありがとう」は「受け入れる」ということでもあります。あらゆることに感謝の気持ちを持つと気持ちが楽になります。言いにくければ言葉に出して言わなくても大丈夫です。心の中で言うだけでも全然違ってきます。

 

言葉に出すハードルが高ければ心の中で言うのでも全然OKです。本心から言えなくても最初は伝えるだけでいい。伝えられなければ心の声でもOK。

 

ハードルを上げ過ぎず、「これならできるかな」と思うことをやってみてください。その連続が気付いたら自分を成長させています。

 

「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道」

これは元プロ野球選手のイチロー氏の言葉です。

 

私の好きなメジャーリーガーの大谷選手、ボクシングの井上選手も、「一つ一つ、基本から」ということを大切にしています。

 

才能あふれる超人たちこそ才能に溺れず、「一つ一つ、基本から」と地道にやっている。それだけ積み重ねが大切ということです。

 

「今できることから一つずつ」やってみてください。

 

少しでも参考になれば幸いです。

 

 

追伸

ここまでお読み頂きありがとうございました。ご相談ごとなどありましたらこちらよりご連絡ください→ 悩み相談