なぜ営業サポートを行うのか

なぜ営業サポートを行うのか

私がどのような経緯で営業サポートを行うようになったのか。その原点は2000年の新入社員時代に遡ります。新卒入社からの3年間、この期間が私にとって大きな転換期でした。

 

ギャップ

話は2000年の新入社員時代に遡ります。

 

新卒で就いた仕事が「MR(医薬情報担当者)」という職でした。平たく言うと製薬会社の営業で、自社の医薬品を医師に処方してもらうことが主な仕事です。

 

実は入社当時の私は「MRは営業ではない」と思っており、入社時研修の際の作文でもそのように書いていました。今思うと恥ずかしい事なのですが、大学生時の業界研究不足、仕事の理解不足ゆえのミスマッチでした。

 

しかし、現実は数字を追いかけるバリバリの営業です。病院やクリニック、薬局に出向き処方獲得のための営業の日々です。元々営業向きの性格でもなければ営業に興味があった訳でもない。そんな私が営業職に就いたので当然ながら大苦戦します。

 

悪循環

1年目は半年間の研修の後に現場に配属されます。私は運良く希望通り都内に配属され、目黒区と世田谷区を担当しました。しかし運が良かったのはここまで。仕事には中々馴染めず気持ちも数字も落ち込みむ一方でした。

 

モチベーションも上がらず悩んだ挙句に先輩に相談するも、「そんなに合わないと思うなら仕事辞めてもいいんじゃない」とストレート過ぎるアドバイスをもらい落ち込み続ける。。。

 

さらに突然上司が会社を辞め(朝礼で知らされる)、続いて先輩(上記の先輩)も会社を辞め(他のチームの同期から知らされる)ました。立て続けに同じチームの人が辞め、しかも辞めることを知らなかったのはチームの中で自分だけということが二重にショックでした。

 

言ってくれなかった理由を聞いたところ、上司は「MR試験があるから伝えにくかった」、先輩は「何て言えばいいかわからなかった」と。それぞれ思う所はあったみたいだけど、私としては「チームの一員として認めてもらえてない」という気持ちになりまた落ち込みました。

 

その後、人員補充も無かったため担当エリアが2人分に増えるも、直接指導してくれる人はいませんでした。お客さんのところにいけば優秀な先輩と比べられ気持ちはさらに落ち込む。。。売上も落ち込む。。。負の連鎖に陥り抜け出せない状態で本当に憂鬱な日々でした。

 

遂にはストレスと不安からうつ症状になり薬を服用するようになりました。薬頼りは不本意でしたが、少しでも良くなればと思い薬に頼ったところ、幸か不幸かこれが浮上の一つの切っ掛けになりました。

 

薬を飲み続けても気持ちが持ち直すどころか下がる一方。さらに副作用も出始め、「これはおかしい。薬を飲んでも何も良いことがない」と思い薬の服用と通院を自己判断で止めました。すると副作用は解消され、さらに薬を飲まない方が気持ちも楽になっていきました。

 

「やっぱり薬が良くなかった。薬が効かなかったってことは病気じゃない。これは気持ちの問題だ!」と半ば開き直って気持ちが楽になり、前向きになることができました。この事は私の中でとても大きな経験となり、この後の私の人生に大きな影響を与える出来事でした。振り返ると紙一重だったと思いますが、良い方向に思い込むことができたのは幸運でした。

注)これはあくまで私の例です。決しておすすめする訳ではありませんので、同様の症状の方は医師にご相談ください。

 

メンタル面は持ち直したものの、肝心の仕事に関しては中々成果が出ずストレスが溜まる状態が続きました。こんな状態がいつまで続くのかと思っていた2年目が終わる頃、大きな切っ掛けが「2つ」ありました。

 

営業コンサルの導入

1点目は、営業所で営業コンサルを導入したことです。属人的だった営業を体系的に実践する機会に恵まれました。と思うのは結果論、後だから思えることで、導入当初は抵抗があり、半信半疑で渋々従っていた状態です。それでも言われた事に従い愚直に進めていきました。

 

やることは至ってシンプル「行動計画」を作り「実行する」ことです。

 

シンプルですが、これが私には合っていたのか目に見えて成果が出てくるようになりました。成果が出てくると前向きになり行動量がさらに増え成果に繋がる、という好循環が生まれました。

 

そしてそのままの勢いで3年目の営業数字が飛躍的に上がり、優秀賞を受賞することができました。さらに4年目以降もその流れのまま上位の評価を得ることができました。

 

そしてその後何度か転職し環境が変わりましたが、異なる環境においても一定の成績を残すことができました。これは営業が苦手な自分にとって大きな経験と自信になりました。

 

個性を活かす

成果を残すことに繋がった大きな要素がもう1つあります。それは『個性を活かす』ことです。

 

ある時何気なく見ていた新入社員研修の際に書いた作文集の中に、「個性を活かした営業をしよう」というメッセージが目に留まりました。その時の自分にとても響く言葉でした。それを書いたのは自分自身でした。

 

自分が今迷い悩むことを予期し自分自身に向けて書いたような不思議な感じでした。これを機に「自分は自分」と割り切り先輩と比べることはせず、「自分の色を出した営業をやる!」と心に決め実行するようになりました。

 

「自分のやりたいようにやろう」、「うまく行かなくても今のままよりいいや」と開き直れたことで気持ちがとても軽くなり、
行動しやすくなりました。

 

「営業コンサル」、「個性を活かす」この2つの出来事は私にとってターニングポイントでした。社会人3年目以内にこれを経験できたことがより大きな財産になっていると感じます。「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、正にその通りと実感しています。

 

自分に合った考え方・やり方

自分に合わないことを身に付けようとしても成果が出ず続かないことが多いです。

 

例えば、内向的な人が外交的な人の真似をしてもあまり上手くいきません。自分の「本質・個性」に合わず体と心が拒否しているからです。そうならないためにも、自分の「本質」、「個性」に合った考え方、やり方で取り組む必要があります。

 

私が成績を残せるようになったのも、自分に合った考え方、やり方で取り組んだからです。自分に合わなかったら同じ結果は残せなかったと思います。

 

向き不向き

「営業は外交的な人が向いている」、「話し上手な人が向いている」と一般的に言われます。確かにスタート地点では有利だと思います。しかし、内向的で話すことが上手くない私でも一定の成績を残すことができました。

 

私は思いました。営業は「センスや才能」ではなく、営業に大事なのは「基本」、「プロセス」であり、それを地道にこなしていけば誰にでも成果を出せるのだと。

 

「勘に頼る属人的な営業ではなく、数字とプロセスを根拠に正しい努力」をする。「基本」に沿った営業活動を行えば誰しも成果は自ずと出ます。営業が苦手で苦しんだ私自身の経験の答えです。

 

「力を引き出す」切っ掛けになりたい

自分の中の個性が引き出される時は間違いなく「人」や「環境」から影響を受けています。自分だけで引き出すことは難しく、人や環境の影響など何かの切っ掛けが必要です。私は運よく2つの切っ掛けに出会うことができましたが、もし出会っていなければ違う道を辿っていたと思います。

 

そう考えた時、「力を引き出す切っ掛けを作ることができれば、自分と同じ悩みを持つ人の助けになるのではないか」と思い、マンツーマンの営業サポートを始めました。営業に悩み苦しんだからこそわかることがあります。私と同じ悩みを持っている方に少しでも楽になってもらいたい。それを実現できるのがマンツーマン営業サポートであり、私自身がやって欲しかったことでもあります。

 

1人で抱え込まないで

1人で悩むのは辛くて大変なことです。真面目で責任感が強い人ほど一人で抱え込んでしまいます。人に頼るのは良くないことだと思ってしまいます。私もそうでした。でも今思うとそれは半分正解、半分間違いだったと思います。自分で自分を苦しめていたのだと思います。

 

「自分の力で解決する」という意欲は素晴らしいことです。ただ一方で成長を遅くしている可能性もあります。人に頼るのも自分の意思であり自分の力です。私はこの「頼る力」が足りませんでした。「自分で」と思うことと変なプライドが重なり、頼ることができませんでした。

 

わからないことはわからない、苦手なことは苦手。それを認めると楽になります。認めることも強さです。自分で考え決めたことは全て自分の意思であり自分の力です。

 

書くほど昔の自分自身に言っているような感じになってきました。お読み頂いて、「似てるところがある」、「何か共感できる」など感じるものがあったり、会社の人や身近な人に頼りにくい時はご連絡ください。1人で抱え込まず頼ってください。きっとあなたの力になれると思います。